どうも、冬花です。
あなたは趣味を持っていますか?
僕は32歳からサーフィンをはじめました。それまで趣味という趣味をもっておらず「強いて言えば昼寝と散歩かな」などと老人のようなことを言っていたんです。
そんな自分がイヤ……というか、退屈な休日がいいかげんイヤになり、何かないかと考えた末、僕は自分が夏が好きなのだということに気がつきました。
それはとくに、小学校時代に過ごした夏休みのことであり、とても美化された記憶として自身の中に残っています。
しかし大人は、子供の夏休みのような過ごし方はできません。夏なんてただのひとつの季節であり、日々働いていると、いつの間にやら過ぎさっているものですよね。
そんな残念な過ごし方を打破しようと、少しでも深く長く夏気分を味わえるものはないかと考えた末、僕はマリンスポーツを趣味にしてみようと思い立ちました。
けれどマリンスポーツと一口に言えど、多岐に渡ります。
そこで、船や、大がかりな道具を必要としない、比較的カンタンに初められそうな種目ということで、僕はサーフィンに目を付けました。
「でも今までサーフィンなんて一度もやったことがない。何をどうすればいいのか……」
そこで僕はネットで情報を漁り、「行くならこのあたりのビーチかな」と目星をつけていた海の近くの、とあるサーフショップのHPを発見し、じっくりと見てみました。
そこに書かれていたのは、今までの人生で目にしたことのない「サーフスクール」という文言でした。
サーフィンはとにかく奥が深く、難易度の高いスポーツです。
その世界に、はじめの一歩としてどうやって飛び込むか。そう考えたとき、サーフィンをやっている友人・知人に連れて行ってもらう、と考える人も多いことと思います。そのやり方もいいでしょう、僕は非難も否定もしません。
しかし、です。
友人はあくまで「友人」であり、サーフィン経験者といえど、「自分がやる」ことに優れているわけであって、「人にサーフィンを教えるプロ」ではありません。
それにいくら友人といえど、やはり一人のサーファーであり、欲求のある人間です。
サーファーはいざ海に行くと、自分自身がサーフィンを楽しみたいという気持ちをなかなか抑えることができません。
海に行くと、よくこんな光景を見かけることがあります。
きっと最初のうちこそ、初心者である友人にべったり付き添ってレクチャーを施していたのでしょうが、いずれ、サーフボードを貸してやり、たまに様子を見たり声をかけたりする程度となり、いつしか、初心者の友人をほぼ放置状態とし、自分自身がサーフィンを楽しむことに夢中になっている。
放置状態の初心者さんは、ボードの上で苦笑いで腹這いになっているだけで、波に揺られ、波にまかれ、楽しむどころ、練習どころではない有様です。
そしてこんな初心者さんに限って、イケてないみじめな自分を認めたくなくて、俺なりに楽しんでるぜアピールをしたくなり、波にまかれたあとに必要以上のハイテンションで、
「いまの波、ヤバかったぁ!」
と頭からずぶ濡れの状態で騒ぐのですが、沖合の友人にはあまり聞こえておらず、とりあえずその調子でがんばれ、と親指を立てて返されることになります。
これではサーフィンの楽しさを味わうことなんてできませんよね。
この初心者の彼がつぎに海にやってくるのは2年後の仲間とのバーベキューが関の山だと思われます。
僕はサーフスクールに申し込んで始めたことで、かれこれ10年近くサーフィンを続けているわけですが、あのときサーフスクールに申し込んでおいて本当に良かったと思っています。
僕がサーフスクールに申し込んだ当日、申込者は僕ひとりでした。
インストラクターとの待ち合わせ場所は、湘南は辻堂。早朝6時、指定の時間、場所。
「32歳。跳び箱も飛べない、逆上がりもできないこの俺が、サーフィンなんてちょっとイケてる&やんちゃな世界に飛び込もうとしている……」
湘南という場の雰囲気も手伝って、ちょっとイキった面持ちでインストラクターを待っていたところ、そこへ現れた一台の白いワンボックス。
車内から漏れるドッドッドッドッドッドという重低音。真っ黒に日焼けした茶髪のいかつい兄ちゃん。
「ども。〇〇サーフッス」
サーファーってアレでしょ、トランスとか聴いて何かヤバイのでキマっちゃっててウェーイみたいな連中でしょ?ってステレオタイプなイメージのまんまのあんちゃん登場です。
オレはサーファーだ、湘南ボーイだぜ? とさっきまで気分はまるで鬼塚英吉だったんですが、いざやんちゃそうな本物と対峙すると、オニツカタイガーのスニーカーってかわいくない? なんて言う女子みたいな表情へと豹変したものです。
…とまあこんな余談はさておき。
後々よーくわかりましたが、年中海に行ってるわけですからそりゃ真っ黒に日焼けしますし、憧れの海外プロサーファーなんかのマネをしたくて、人によっちゃ派手な容姿だったりしますが、見た目がなんであれ、商売だからもちろんなんですけど、インストラクターは優しく丁寧に接してくれますのでご安心を。
傾向としてちょっとフランクだなってところはあるかもしれませんが、失礼・無礼ってほどでもないです。
サーフスクールでは、初心者をその日のうちにテイクオフできるところまで導いてくれます。
よくぞまあこんな運動神経の悪い僕を…と関心したものです(笑)
というわけでこんな僕ですが、かれこれ10年続いています。
サーフィン、ホンッットに面白いです。
運動神経悪かったって大丈夫! あなたが普段二足歩行なら立てるようになります。
貧乏だって大丈夫! 安価な初心者セットのイニシャル費で長年持ちます。
陰キャだって大丈夫! 一人で遊ぶスポーツです。
オッサンだって大丈夫! 有名なのありますよね。60歳になったおばあちゃんがバイオリンに興味をもったけど「もう歳だから」と諦め、90歳になって死ぬ間際に「あああのときやってれば30年もバイオリン弾けたのか」って悔いて死ぬヤツ。
いま挙げた4項目、全部僕です(笑)
あれから約10年。サーフィンの世界に飛び込んでガチで幸せです。
生活やモノの考え方など、人間性に多面性が生まれてきますので、「自分はこういう人間だ」と決めつけず、ぜひ一回やってみて下さい。
……あ! でも本当に海に行くなら、最後に忠告です。
着替えはちゃんと持って行ってくださいね。
「オレ向こうで着替えんのメンドイからあらかじめ海パン履いていくし」
っていうワイルドな人に限って、
「…オレパンツ持ってくんの忘れてるし」
って、ノーパン喫茶開店を余儀なくされることが多いです。
よりワイルドな男になって帰るハメになるので、気を付けましょう。
では。
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